【レビュー】ASICS GT-1000 13 GTX:ゴアテックス、防水の雨の日の実力は?
ASICS GT-1000 9 GTXを買った動機
防水のランニングシューズがほしい!
筆者はそれまで、ミズノのウェーブライダー20 GTXという、ゴアテックスのランニングシューズを履いていました。しかし、左足小指外側あたりに、穴が空いてしまいました(笑)。それそろ、買い替えどきかな、と。
ネットで調べると、アシックスのASICS GT-1000シリーズにゴアテックスモデルがあることがわかりました。実店舗を少し回って探してみました。ランナーの聖地STEPスポーツ東京本店(水道橋)、それと、アメ横周辺をチョコチョコ。しかし、アシックスのゴアテックスのランニングシューズは置いていません。複数の店員さんによると「今、ゴアテックスは、トレイルの方になっちゃうんですよね。」とのこと。
やっと、やや郊外のスポーツ専門店で見つけたものの、筆者が普段履いている27.5がない。27.0を試し履きすると、店員さんも、「ちょっと、痛くなっちゃうかもしれないですね。」とのこと。この感じから、27.5なら大丈夫かな、と思い、Amazonで注文しました。
Amazonでの価格は、10,561円+106ポイントでした。ゴアテックスのシューズとしては、かなりお求めやすいかと思います。返品などがしやすいかな、と思い、Amazonにしました。
ASICS GT-1000 9 GTXを履いた感じは?
ASICS GT-1000 9 GTXのワイズ(幅)は2Eです。一方、筆者は、アシックスウォーキングさんのマシンで計測してもらったところF(4E相当?)。
最初は、ちょっと幅がきつめかな、という気がしました。靴紐を、結ぶ部分の長さがかなり短くなるくらい、緩めています。それでも、最初、右足小指の爪の右下あたりが、少し、靴ずれしました。ただし、この程度の靴ずれは、最初は、どんな靴でも生じがちでしょう。その後は全く問題なく、快適に履けています。
ただ、幅広の人は、ワンサイズ上げて28.0を買ってもいいのかもしれません。ランナーの聖地STEP東京本店(水道橋)では、そのような接客をしているように感じることがあります。
ASICS GT-1000 9 GTXで走った感じは?
質量は300gほどで、かなり重いです。ランニング中級者以上が、ビュンビュンとスピード練習や、いいペースでのJog、距離走をする感じではないでしょう。スローJog向けかと思います。アシックスの公式サイトでも、GT-1000シリーズは、スピード、反発性ではなく、安定性、に分類されています。また最初は、接地の感じが、ちょっと固めかな、と思いました。ただ、後述のように、現在のGT-1000 13 GTXでは、PureGELテクノロジーを採用し、クッション性は高まっています。
一方で、安定性は高く、走りの技術がまだ未熟な、雨の日に走りたい初心者には最適でしょう。雨の日にも走りたい初心者なんているのか?と思うかもしれませんが、初心者は、傘をさしながらJogをしても、十分トレーニング効果はあると思います。さらに後述のように、現在のGT-1000 13 GTXでは、3D GUIDANCE SYSTEMを採用し、安定性はさらに高まっています。
ASICS GT-1000 9 GTXの防水性は?
2021年9月29日、台風16号が太平洋を進み、東京はそれなりの風雨でした。筆者は、この日、GT-1000 9 GTXを履いて外出しました。
雨をはじいている!(水滴が見えますか?)。靴の中も濡れていません。かなり高い防水性を誇っていると思います。
ASICS GT-1000 13 GTXへの進化
3D GUIDANCE SYSTEMを採用
現在のモデルのGT-1000 13 GTXでは、3D GUIDANCE SYSTEMを採用しています。3D GUIDANCE SYSTEMを採用しているモデルの中では、GT-1000 13はコストパフォ-マンスが高いと思います。
3D GUIDANCE SYSTEMとは、ランニングシューズに搭載された先進的な技術で、ランナーの走行中の足の動きを最適化し、安定性と快適性を向上させることを目的とした複合的な機能構造です。このシステムは、特に長時間のランニングにおいて、足の自然な動きをサポートし、疲労やケガのリスクを軽減するために設計されています。以下に、3D GUIDANCE SYSTEMの詳細を解説します。
3D GUIDANCE SYSTEMの概要
3D GUIDANCE SYSTEMは、アシックスがランナーの足の動きやランニングフォームの変化を研究し、開発した技術です。このシステムは、ランニング中の足の着地から蹴り出しまでのプロセス(ストライド)をスムーズにし、安定した走行をサポートします。特に、以下のようなランナーに適しています:
初心者から中級者:安定性を重視するランナー。
長距離ランナー:長時間の走行でフォームが崩れやすいランナー。
オーバープロネーション(過度な内側への倒れ込み)が気になるランナー:足の倒れ込みを抑制し、バランスを保つ。
このシステムは、ミッドソールやアウトソールの構造、アッパーの設計などを統合的に最適化することで、足の自然な動きをガイドします。
主な特徴と機能
3D GUIDANCE SYSTEMは、複数の要素が組み合わさって機能します。以下はその主要な構成要素です
立体的なミッドソール構造
踵部内側の広がり:ミッドソールのかかと部分に立体的な形状を採用し、着地時の安定性を高めます。これにより、足が過度に内側に倒れ込む(オーバープロネーション)を防ぎます。
重心移動のスムーズさ:かかとからつま先への重心移動をスムーズにするため、ミッドソールの外側に適切な傾斜を設けています。これにより、ストライドが自然で効率的になります。
PureGELテクノロジーの採用
アシックスの PureGELテクノロジーは、ランニングシューズやスポーツシューズに搭載される衝撃吸収素材で、従来のGEL技術を進化させたものです。軽量性、柔軟性、快適性を向上させ、ランナーの足への負担を軽減しつつ、自然な走行をサポートすることを目的としています。PureGELテクノロジーを採用しているモデルの中では、GT-1000 13はコストパフォ-マンスが高いと思います。以下に、PureGELテクノロジーの詳細を解説します。
PureGELテクノロジーの概要
PureGELは、アシックスの代表的な衝撃吸収素材「GEL」を改良した次世代素材です。従来のGEL技術よりも軽量で柔らかく、優れた衝撃吸収性と耐久性を提供します。特に、長時間のランニングやトレーニングで足にかかる衝撃を効果的に吸収し、快適な走行体験を実現します。PureGELは、主にミッドソールや踵部に配置され、3D GUIDANCE SYSTEMなどの他のアシックスの技術と組み合わせて使用されることが多いです。
PureGELテクノロジーの主な特徴
軽量性:従来のGEL素材に比べて約10%軽量化。シューズ全体の重量を抑え、長時間のランニングでも足への負担を軽減。
柔らかさ:約65%柔らかい素材特性により、着地時の衝撃をよりスムーズに吸収。硬い地面でのランニングでも快適性を維持。
耐久性:柔軟性と軽量性を保ちながら、繰り返しの衝撃にも耐える高い耐久性を持つ。
配置の最適化:主に踵部(ヒール)に配置され、着地時の衝撃が最も大きい部分を効果的に保護。モデルによっては前足部にも少量配置される場合がある。
技術的な進化(従来のGELとの違い)
従来のGEL:アシックスの長年の主力衝撃吸収素材で、シリコンをベースにしたジェルが衝撃を吸収。高い耐久性と安定性を提供するが、やや重量感がある。
PureGEL:軽量で柔らかい新素材を採用し、衝撃吸収の効率を向上。従来のGELよりも自然な足の動きに寄り添い、反発性とのバランスも改善。
感触:PureGELはよりソフトで弾力性のある感触を提供し、ランナーが「地面を蹴る」感覚を損なわずに衝撃を吸収。
ランナーへのメリット
衝撃吸収:着地時の衝撃を効果的に吸収し、膝や足首への負担を軽減。長距離ランニングやハードなトレーニングに最適。
軽量で快適:軽量な素材により、シューズ全体の重さが抑えられ、疲労感を軽減。
自然な走行感:柔らかさと反発性のバランスが良く、ストライドのスムーズさを損なわない。
ケガ予防:衝撃吸収力が高いため、関節や筋肉へのストレスを減らし、ケガのリスクを低減。
ASICS社の実績と信頼性
ASICS社は、1949年に創業者・鬼塚喜八郎がスポーツによる青少年の育成を通じて社会の発展に貢献することを志して興した会社です。創業哲学は「健全な身体に健全な精神があれかし」というもので、世界中の人々に心身ともに健康で幸せな生活を実現してほしいという願いを表しています。
ASICS社は、長期的な視点で表した「VISION2030」では、当社の創業哲学を改めて中心に据え、「誰もが一生涯、運動・スポーツを通じて心も体も満たされるライフスタイルを創造する」ことを目指す姿として掲げています。
一時期、ナイキ社の厚底シューズに押され気味に見えましたが、2023年現在、トップランナー向けにも、「METASPEED SKY」は評価が高く、シェアを広げています。
ASICS社のシューズは、多くのトップアスリート、市民ランナー、一般人に履かれ、実績と信頼性は絶大と言えます。
ゴアテックスとは?
アメリカのWLゴア&アソシエイツ社が製造販売する防水透湿性素材の商標名です。水が入ってくるのは防ぐのに、汗による湿気は外に逃がす。すごいですね。非常に微細な孔がたくさん開いていて、液体の水は通さないが、水蒸気は通すようです。
ゴアテックス製品にはすべて、黒いタグがつけられています。これは、厳しい品質基準によって作られた品質保証の証しです。
FLYTEFOAMテクノロジーとは?
アシックスの公式サイトに詳しいことが載っています。要するに、軽量化しながら、クッション性、耐久性も実現した、アシックスの技術のようです。
GT-1000 13 GTXでは、引き続きFLYTEFOAMクッショニングを採用しています。
ピーキング(テーパリング、試合に向けてピークを作る)の考え方
たむじょー選手の全日本実業団陸上2021 1500m 3分48秒51