【中長距離走】効果的なレース前調整のコツ:筋肉の適度な緊張を保ちつつ疲労を抜く

 

【中長距離走】効果的なレース前調整のコツ:筋肉の適度な緊張を保ちつつ疲労を抜く

 

はじめに

 十分に休養を取って疲労を抜き、試合の日を迎えたにも関わらず、試合の日に足が重いことが多く、悩んでいませんか?

 実は、ただ休むだけだと、筋肉の適度な緊張が失われ、レースに必要なスピードを出しにくくなります。

 本記事を読めば、休養により疲労を抜きつつ筋肉の適度な緊張を保ち、レースでベストパフォーマンスを発揮する方法を知ることができます。

 

筋肉の適度な緊張が大切

 重要なレース前、1週間ほどは、もちろん、練習量を減らし、回復に努めなくてはなりません。

 一方、休んだ結果、筋肉の緊張度が低すぎると、筋肉の収縮速度が遅くなり、大きな力を出すことができません。その結果、パフォーマンスを低下させる「だるさ」が発生します。

 したがって、休息日には、筋肉の緊張を下げてもいいですが、ポイント練習やレースの前には、筋肉の適度な緊張を保つ必要があります。

 注意点は、不調の原因が筋肉の緊張にあるのか、オーバートレーニングや疲労によるものなのかを見極めることです。筋肉の緊張が低いのは筋肉を中心とした局所的な反応ですが、オーバートレーニングによる体のだるさは、より全身的な感覚です。疲労によるだるさは、足だけではなく、全身の倦怠感があります。走っている主要な筋肉に問題があるのか、それとも全身に問題があるのかを見極めることが、この2つを見分けるポイントになります。

 

試合前1週間の調整

 7日前に筋肉の緊張を大きく上げるハードなトレーニングを行い、3日前には筋肉の緊張を中程度から大きく上げるトレーニングを行い、前日には筋肉の緊張を少し上げるストライドを行うという計画が良いでしょう。レース当日になってもまだ筋肉の緊張が低い場合は、ウォームアップにレースペース以上の100mストライドを取り入れ、レース直前にリバウンドジャンプを4回行うことで、筋肉の緊張を鋭く変化させます。

たとえば、5000mのレースの場合、以下のようになるでしょう。

レース7日前:400m(400jog)×6本を1500mレースペースで行う。またはヒルスプリント10秒(2~3分レスト)×8を行う。

レース3日前:5kmレースペースの200m(200jog)×8

レース前日:100mストライド(流し)6本をレースペースかそれより少し速いペースで行う。

800m、1500mの場合、上記を参考に、ペース、本数を調節するといいでしょう。

 

マラソンのような長いレースでは、筋肉の緊張をある程度上げる必要がありますが、やや低くていいです。

レース7日前:10~12マイルを走り、最後の10分はマラソンペースで走る。

レース前3日間:マラソンペースで5分×2回、その後10Kペースで1分×3回

レース前日 30秒ストライド(流し)を4~5回、ハーフマラソンペースから始めて、5K~10Kレースペースに上げていく。

 

 また、たとえば、中長距離ランナーは、冬などの走り込み期に、いわゆる「バネがない」状況に陥らないよう、たまにスプリントなどを入れたほうがいいということです。

 

筋肉の緊張を上げるもの

・スプリント
・筋力トレーニング
・速めのペースでのインターバル
・ストライド

 

筋肉の緊張を下げるもの

・長いjog
・ゆっくりのjog
・マッサージ
・遅めの長いポイント練習
・温かい風呂
・柔らかい路面でのランニング

 

参考サイト
筆者はSteve Magnessさんという、中長距離走のコーチです。運動科学の修士号を持っています。2019年世界陸上ドーハ大会の女子マラソン6位は、41歳のアメリカのフルタイム勤務の看護師でしたが、Steve Magnessさんが指導したそうです。

 

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